なかなか治らない犬の慢性外耳炎、耳の中にできものがあるかもしれません

犬の耳垢腺過形成は、耳の中に存在する耳垢を分泌する腺(耳垢腺)が異常に発達し、通常以上に耳垢が生成される状態です。この異常は、耳垢の蓄積や慢性的な炎症、さらには二次的な感染症を引き起こすことがあり、適切な管理が必要です。

今回は、外耳炎がなかなか治らないとのご相談でした。耳の中を覗いてみるとたくさんの耳垢が堆積していました。
洗浄して再度覗いてみると

耳の中にとても大きいできものがあります。

できものより奥の部分と洗浄と観察が難しいため、全身麻酔下にて摘出と耳洗浄を実施しました。
ビデオオトスコープで確認しながら、特殊な器具を使用してできもの摘出します。
病理検査での結果は、耳垢腺過形成という診断でした。


耳垢腺過形成の原因

耳垢腺過形成の発症には、いくつかの要因が関与しています。
1.慢性外耳炎
慢性的な外耳炎は耳垢腺に過度の刺激を与え、腺の過形成を引き起こします。この状態が長期間続くことで、耳垢の過剰分泌が始まります。
2.アレルギー疾患
耳内の炎症反応を引き起こし、耳垢腺の過形成を促進します。アレルギーが背景にある場合、他の皮膚症状も併発することがよく見られます。
3.ホルモン異常
甲状腺や副腎皮ホルモンなど、ホルモンバランスの乱れが耳垢腺に影響を及ぼし、耳垢の生成が増加することがあります。


耳垢腺過形成の主な症状は?

耳垢腺過形成により現れる症状は、外耳炎の症状と類似していることが多いです。
□耳垢の過剰分泌:耳の中が大量の耳垢で満たされ、黒や茶色の耳垢が確認されることがあります。
耳の臭気:異常な耳垢の蓄積により、耳から独特の強い臭いが発生します。
耳のかゆみ・痛み:犬が頻繁に耳をかく、または頭を振るといった行動が見られます。
耳の赤み・腫れ:耳内の炎症により、耳が赤くなり、腫れが生じることがあります。

耳垢腺過形成は、犬にとって不快感を引き起こすだけでなく、放置すると重篤な耳のトラブルを招く可能性があります。適切な治療と定期的なケアを通じて、愛犬の耳の健康を守る必要があります。耳に異常が見られた際には、早めに動物病院に相談することが大切です。

〜〜〜こんな症状がみられたら、お早めに相談を!〜〜〜
□耳が痒い
□耳を擦り付けている
□耳が臭い
□耳垢が多い
□耳が赤い
□耳の周りが、脱毛や毛玉がある
□慢性外耳炎と言われている
□洗浄液や点耳液を常備している

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※歯科相談・耳の病気や腹腔鏡手術などのご相談は、しっかりと説明・ご納得できるようになるべく長い時間をとるように初診時に努めていいます。
どうしても土日は、診療頭数が多いため説明やご相談の時間が取れない場合も多いです。 
ご納得の上、検査や治療を受けれるように平日のご予約をお勧めします。
また、症状がこじれたり重症化すると治療期間も長くかかってしまいます。
症状がひどくなる前にお早めのご相談をお勧めします。

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