犬や猫の歯石の放置は危険です。下顎なら骨折の恐れもあります。

■犬の下顎犬歯の粘膜フラップ形成と骨組織再生誘導(GBR)

今回は、歯石が重度についているワンちゃんの治療です。
歯石とりの相談にこられた子ですが、前歯にかなり歯石と歯垢が付着しています。
あまり状態も良くなさそうなのですぐに歯石とりと歯科検査・治療を実施しました。

左右の下顎犬歯に歯石がとてもついています。(写真左)
歯石を除去してみると、えぐれたように歯周ポケットが形成されています。(写真中)

レントゲンでも、深い歯周ポケットが確認されました。(レントゲン写真左中)
犬歯にはぐらつきがないため、犬歯の歯石をきれいに除去した後に、歯周ポケットに骨補填剤を埋め、抜歯した切歯の歯肉を利用して粘膜フラップを製作しました。(肉眼写真右、レントゲン写真右)

 

処置後1週間目の写真です。縫合糸はまだ残っていますが、歯肉粘膜がうまく定着してくれたようです。
今後は、がんばって歯磨きをしてもらいながら、うまくポケットが改善されているか定期的に観察することになります。

歯周病が進行すると、深い歯周ポケットを形成してる場合も多く、下顎の場合ひどいときは骨折を引き起こすこともあります。
特に歯の内側は全身麻酔をかけないと詳しく解ることができない場合も多く、麻酔をかけてびっくり!ということも多いです。

当院では、歯石取りや歯の治療以外にも定期的な歯周病のチェックと歯磨きのアドバイス、歯石取りのタイミングなどを詳しくアドバイスしております。おきがるにご相談ください。